2017
09.17

人は、人を浴びて人になる

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夏苅育子先生の新著「人は、人を浴びて人になる 心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い」を読んだ。
あざやかな黄色い素敵な表紙の本であり、パワーを感じられる本である。

NPOで安曇野にお呼びして以来、ことあるごとに声をかけていただき、学会などでも何度かお話をうかがった。そのたびに自分と母のこと周囲の人との出会いを堂々とオープンにされていかれるその姿に勇気づけられた人も多いと思う。

これまでの本や講演では統合失調症を病む母とのことが中心であったが、この本はご自身と周囲の人の関わりについてがメインのテーマになっていった。その集大成とも言えるこの本では子ども時代から順に12人の人との出会いと関わりについて丁寧に語られている。

家族会や学会などで度々講演をされているので、これまでに夏苅さんの講演を聞いたことのある方なら、読んでいると夏苅さんの声が聞こえてくるような感覚にとらわれるのでは無いだろうか。

たとえどんなに過酷で壮絶な大変な人生であっても、人が時間と人との出会いで回復していく力がある、回復するのに締め切りはないのだというのを信じさせてくれる。そしてそれを信じられる、信じて待っていてくれる人がいること自体が、病や障害があっても回復していくための最大のファクターなのである。
そうして今、夏苅先生は、夫と運営している診療所で、そして全国に講演にあるきまわり、多くの人にそのことを伝えている。

生きることに投げやりになっている人、支援の現場で悩んでいる人、家族、医療や福祉に従事する人やその卵の方々は必読の書だとおもう。

自分も自分が弱った時には堂々と周囲に助けをもとめ、また自分の周りの人を自分のできることで勇気づけられればとおもった。



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2017
09.12

大人の発達障害のセルフヘルプグループ

Category: 未分類

2年くらい前から自分と仲間のために、ほそぼそと大人の発達障害のセルフグループを続けています。 会場を松本、安曇野、塩尻、南松本と変えながら8回目になりました。


 何らかの事業やディケアのプログラムという形にしてしまうと対等性がなくなるので、あくまでも自分(たち)のためにほそぼそとやっているセルフヘルプ・グループ(SHG)の形をとっています。 


運営もボランティアベースで基本的に誰かに何かを強制するということはありませんし、多少盛り上がるような多少のファシリテート、場が荒れすぎないように多少の仕切りはしますが無理はしません。


会場費200円を頂いてということくらいしかきまっていません。

来る者は拒まず、去るものは追わずのスタンスです。 思いついたら即行動、即発言のADHD優位のタイプの人が旗を振っているのに、他の人達が相乗りしている感じだと思います。ADHD(不注意多動優勢、衝動性優勢)とASD(孤立型、受動型、積極奇異型)でもそれぞれ全然違いますが、続けて参加していると人のフリみて我がフリ気づくといういことはあります。人はたいてい自分のことより他人のことのほうがよく見えて、励ましたりアドバイスもできますから・・。 


会場や参加者によって毎回雰囲気が違っていて、女子ばかりの会だったり、会議室でホワイトボードをつかって書きながら3つお題をだして30分ずつくらいで区切ってやったりもしました。前回ははじめて和室でやりましたが和室は輪になれたり横になれたりで良かったと思います。 枠と自由度、参加者がそれぞれに気づきと癒やしを得てかえってもらうための適度なルールやファシリテーション(仕切り)のバランスが難しいとおもいます。


積極的に話せない人への配慮をうんとということになると、小道具やパスカードなどを使って配慮された会のようになると思いますし、型をきめて構造化がすすむと、いいっぱなし、ききっぱなしのAAのようになると思います。


発達障害のSHGでは、それではやや物足りなく感じる人も多いかもしれません。

話せない人への配慮も必要ですが、ADHD優位の話せる元気な人に引っ張ってもらわないとなかなか盛り上がらないということもあります。 発言を強制されない権利もあるので、言語でのリアルタイムでの表現が苦手な人、なれるまでに時間がかかる人、観察していたい人などは場を共有するだけでもいいのかなとも思っています。 


参加条件をしぼりクローズドな会にすると同質性が担保されたほうが運営や目的の遂行はなしとげやすく予定調和的になますが参加者はあつめにくくなります。参加条件をゆるくしておオープンにして多様性があるほうが創発性が高まり気づきや癒やしの機能は高まりますが参加者をあつえめたり運営をするのは難しくなります。参加者も事前に限るとなかなか参加者も集まりにくくクローズドな感じになります。


当日参加ありとすると、集まる人数が読めない(そのため仕切りが難しい)ということいなります。 誰でも運営できる形というのなら型をきめて構造化を強めていけばよいし、ゆるくしていくならファシリテートに慣れた当事者、支援者や専門職のサポートも必要ですね。 


リアルタイムのやりとりでない文字言語のほうが楽な方のための、Facebookグループでの会場もあります。(”大人の発達障害あるあるラボ”で検索してみてください) 


こういった会のあり方の模索もふくめてラボ(実験室)と名乗っています。

明日は今日より少しでもマシな世界に。


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リアル発達障害あるあるラボ9回目 10月28日(土) 13:00〜15:00 

松本市、なんなん広場、音楽室です。 参加費200円です。


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2017
09.06

ジャズの演奏会での指導者の暴行について

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トランペット奏者の日野皓正氏が指導している子どもたちのジャズの演奏会で、演奏中に調子に乗りすぎて暴走し妨害レベルになった中学生にビンタの暴力振るった件、動画もでまわっていますね。
→(こちら)。

いろいろ象徴している気がします。この中学生は夢中になると周りが見えなくなり過去にも同様のことが度々繰り返されていたのでしょうか?であれば、期待する行動(時間なども含めて)明確に伝え、その意味合いをつたえ、守れるようにキューをだすなどの手助けもし、もし守れなかった場合の対処も決めておいて(警告しても聞き入れられなければ、速やかに拘束してタイムアウトをとるなど)、その対処を淡々とするべきだったんじゃないかとおもいます。

その場を守るためとは言え、暴力に至ってしまったというのは日野氏自身、過去にきっとそのような指導をうけてきた歴史があったのではないでしょうか。正当防衛などの例外はあれど、暴力というコミュニケーション手段はいかなる場合でも許されない、結局自分が損をするというのを大人が伝えないと子どもがそういうコミュニケーション方法を誤学習して連鎖してしますから。 明日は今日より少しでもマシな世界に。

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2017
08.26

総合安心センターはるかぜ

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平成29年8月25日に、北信中野の、社会福祉法人高水福祉会、総合安心センターはるかぜさんに見学に行きましたので、そのレポートです。
中信圏域でも危機介入の仕組みとPDCAサイクルを回しつつ関われる人や場をどう増やしていくかを考えていきましょう。

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北信病院に発達障害の研修で行く機会があったので、時間をつくり中野市の高水福祉会の「総合安心センターはるかぜ」さんを見学させていただき、代表の野口さんにお話をうかがうった。
入所施設なども運営する社会福祉法人の内部留保を切り崩し、家族や理事会や近隣の市町村行政との折衝を続け施設を解体しながら大胆に始め、地域に暮らす100名の登録者を18人のスタッフで365日、24時間支える仕組みをつくった。
登録者には在宅の知的障害、発達障害の方が多いが、統合失調症など精神疾患の方、身体障害の方もいる。制度としては18歳以上のハイリスクな方を登録して地域定着支援を利用しているが、独自事業での私的契約もおこなっている。
もちろん生活支援には他の地域のサービス(生活介護、就労など・・)も利用して生活を支える。緊急時の受け入れ、対応、入院や施設入所していた方への体験の場も提供が、はるかぜの役割だ。
消防署や施設のような交代勤務で、常にスタッフが交代で詰めており、何もなければ何もないでおわる。
サービス調整会議、モニタリング会議で起こりうるクライシスに対してクライシスプランを作成。特に、何が緊急事態のスタートなのかケースごとに決め、誰がどのように対応するか予め決めておき、すべての職員が顔合わせしておく。
緊急のコールはコーディネーターに連絡ががあり登録書に従って判断し、スタッフを緊急派遣する。イライラや不安でたまらなかったり、粗暴行為が出たり、体調不良などのときが多いそうだ。地域定着で解決に至らない時は、常に2部屋空けている短期入所施設内の部屋に緊急短期入所で一次避難、そして48時間以内に今後の支援対策会議を開催し登録書を改訂し共有をおこい、予防的な介入を強化する。
昨年は年間100件の駆けつけ、60件の緊急ショートの利用があったというが、安心でき、地域の対応能力が上がることで緊急派遣も緊急ショートも減っているそうだ。
このスピード感が鍵で、不必要な入院や入所を防ぎ、長期の入院や入所になってしなった方も再度、地域で暮らしも選択できるようになる。
施設などの個別性のない状況が強度行動障害を助長している面もあり、入所者を減らすことができ、画一的生活の緩和と個別化が充実できるとのこと。
部屋にモノを溜め込むのも、火と匂いさえ出さなければ、自由でいい。一人暮らしか、相性のいい人とシェアしてすむのがいい。
そこにそっと見守りと支えをいれていく。
そうして逆に入所施設の利用者がへると、本当に必要な人に入所も選択肢になるのだという。
制度に乗れない人や他の事業所のGHとして私的契約もおこなっていて、同様に登録して利用できるようにすることで隙間をうめている。利用者をよく知る支援者が通訳的な立場となりノウハウの移転など様々な可能性があるだろう。個別性が強い障害者をあらかじめ登録書とプラン、バックアップ体制をしっかり作ることで初心者のスタッフでも対応できるようにし、研修などでスキルをアップしていくことで人を育てている。
地域の日中活動の事業所や余暇活動支援、短期入所、行動援護の事業所が増え、365日24時間の対応ができるようになると緊急対応はへるだろう。
高齢者でも365日、24時間対応の小規模多機能事業所や、定期巡回、随時対応型訪問介護看護やなど面で支える仕組みもできてきた(オランダのビュートゾルフなどもモデル)。精神障害の分野でいえば医療の関わりがもう少しあればほぼACTであり、オープンダイアローグ的な側面もあるが、精神疾患以上に自閉症や知的障害に関しては医療が理解も支援も大きく遅れており、出番は少なく密な生活支援以外に手立てがないということだろう。
逆に健康管理や身体合併症、アセスメントなどで医療がバックアップで協働できればさらに多様なニーズに応えられる最強のモデルになるだろうと思った。
報酬や人件費など経営的な数字のことなどもお聞きしたが、行政からの補助金など入れているが、事業としてはまだ赤字であり、母体の入所施設等ももつ社会福祉法人のバックアップがあるからできるという側面もあるようだ。
中信地域では、内部留保を切り崩しての地域支援に本気を出してくれる社会福祉法人でてこなければ、同じような形は難しいかもしれない。
それでも情報共有の体制をつくりホームヘルプサービスや行動援護を増やして日中活動や短期入所の事業所と協働していくことで関われる人や場を増やしていったり、ケースごとにクライシスプランをつくり、さしあたって48時間以内の出口会議をする上で、緊急入所を医療が担う(担えるか?)というあたりからははじめていけそうだと思った。

harukazeheya 

緊急ショート用の極力シンプルな部屋。
緊急の利用時には隔離はせずスタッフがマンツーマンでつくことも多いという。
画像に含まれている可能性があるもの:室内


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2017
08.13

商品化してはいけないもの

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きょうされん声明「A型事業所の閉鎖に伴う障害のある人の大量解雇問題を受けて


障害者支援の分野は医療や教育と同じく、社会共通資本であり、商品化してはいけない分野だと思う。


 ニーズがあるからとずっと手弁当でやってきた思いのある事業所などが行政と協働して開拓して制度化しても、今度は営利で商売にしようとするところが参入してハイエナのように荒らしていく。質の担保のために管理や規制が厳しくなり、そのコストがかさむ。いたちごっこである。

 医療でもそうだが、ビジネスでやっているところは、本当に大変な困っている人に限って、自分たちに何ができるかということも考えもせず、あっさりと排除するからわかる。

 今、何もできないというのなら、せめて一緒に声をあげてくれたりすればいいのだが、次の商売のタネ探しに忙しいのだろう。


 現在の現物給付、事業所への補助金などから支援者も含めだれもが食い詰めないように現金給付(ベーシックインカムと障害加算)に、権利擁護、行使のサポートをセットにして個人に給付する(今は市町村の認定という意味で半々くらい?)制度にシフトしてくべきなのだろうと思う。

 そのためには障害があり通常ではないサポートが必要な方にはなおさら、早くから意思決定の支援、声をあげるスキルというのが必要だ。


 そして、それを突き詰めていけば、それが仕事となる可能性があるともいえる。言葉や理屈を使うのが苦手ならばばアートや表現の世界に、言葉や理屈が使うのが得意ならば、学問の世界、ソーシャルワーカー、政治家などにも向いていると思う。

 

 明日は今日より少しでもマシな世界に。

 



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