2014
01.02

抗精神病薬に伴う突然死のリスク

Category: 未分類
抗精神病薬を内服中(特に大量服薬中)に突然死があるということはしばしば言われています。
では実際に、突然死のリスクがどの程度上がるのかということに関してあるジャーナリストに聞かれたのでざっと調べてみました。

何故、突然死をきたすのかということに関して数年前の総説(いろんな論文をもとに教科書的にまとめて記載したもの)ですが、以下のものが比較的よくまとまっています。

Sudden cardiac death secondary to antidepressant and antipsychotic drugs


原因不明の突然死の想定されている機序として。
心毒性→心電図上のQT時間延長→TdP(トルサデポワン、先端のねじれという意味の仏語)という不整脈のリスク↑、TdPがおこると→Vf/VT(心房細動、心房粗動という致死性不整脈)につながるものと、ブルガダ症候群という突然死につながる不整脈に関連したものがあるようです。

これらのリスクは薬ごとでも違いますが、医師は心毒性の強い薬は心電図をみて注意しながら使うように教育されています。

また統計的なものとしては2009年のNEJM(一番権威ある有名な臨床医学誌)の論文がありました。

Atypical Antipsychotic Drugs and the Risk of Sudden Cardiac Death

まとめて訳してくれているものはでこちらをどうぞ。

抗精神病薬内服群と非内服群をマッチさせたコホート研究では向精神薬の内服で一般の方の倍くらいのリスクになるのはわかります。突然死の割合は年令によっても違いますが、
突然死は10,000人あたり10人~100人くらいの感じですね。これが一般の方の倍くらいになるという感覚でしょうか。

これもざっくりとしたデーターですので、用量を検討された臨床試験(数百例の検討が多い)のようなデーターサイズでは極めて稀なくらいのオーダなのでしょう。
市販後登録や、がん登録のようなものがあれば、分かるかもしれませんが、多剤大量処方での突然死は心筋梗塞などとされて闇に葬られているのかもしれません。

アルコールによる大酒家突然死症候群や、病状の悪化による自殺のほうがはるかに多いとおもわれます。
ところで最近使えるようになった、クロザリルという抗精神病薬は、副作用も多い代わりに効果も飛び抜けています。
ネットを通じて患者を全例登録し処方ごとにCPMSというモニタリングサービスに登録して効果や副作用を厳格に管理しながら使われているので、クロザリルならそのようなデーターも出せるのかもしれませんね。

抗精神病薬を内服中に突然死した方の心筋のCaチャネルにかかわる遺伝子をしらべてリスクを層別化するというような調査研究もすすんでいるようですのでリスクの高い方には注意して使うなどということができるようになるかもしれませんね。。

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