2016
07.31

【日曜討論】神奈川県立津久井やまゆり園での事件について

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こ本日のNHKの日曜討論は相模原の大量殺人事件がテーマだった。

この事件については既に様々な議論がなされているが、番組では政権に忖度したのか障害者の置かれている状況や、介護職の労働環境、容疑者の思想の背景にあるものには慎重に踏み込ませないように見えた。そのため植松聖容疑者の病理のプロファイリングもどきや、措置入院後の対応について中心の浅い残念な内容であった。
容疑者は排除され孤立していたというが、偏った思想は一人では生まれ育たない。(いやたとえ生まれてもそれこそ誰も理解できないような荒唐無稽な話になるだろう)
ネトウヨをはじめ元東京都知事やあの憲法改正草案をつくった自民党の中にも同じような思想の人たち、世間にも彼に共感する人もいて彼の思考の中では決して孤立していなかったと思う。
ただ他に対話する相手や表現方法をもたず、さまざまな歯止めをとび超えて実行に至ってしまっただけでむしろヒーローのような気持ちで陶酔しているのではないか?

これまでの報道でも彼の生い立ちや境遇、現場となった施設にはどういう障害者がいて職員はどういう仕事をしている施設なのか、殺された人たちはどのような人生をおくってきたどのような人たちなのかという情報がぜんぜん入ってこない。
他の事件ではマスコミは頼まれてもいないのに悲惨な事件の被害者のプライバシーは丸裸にするのにね・・。
きくところによると津久井やまゆり園は夜勤でも時給905円の最低賃金で14時間連続勤務という過酷な労働環境であったようだ。

彼自身の素因もあるだろうが、じっくり一人ひとりの被介護者とコミュニケーションできるような時間も余裕も研修の機会ももてないような職場環境だったら、障害者は人間というよりモノと思えてくるのも当然だろう。
人間は弱いものであるから閉じた世界の中で追いつめられると、弱者に対する差別や虐待が必ずおこる。
この事件は児童や高齢者、障害者の虐待の延長線上にあり、その先にはT4作戦やホロコーストがあるのだと思う。
必要なのはオープンな対話だろう。植松氏が参議院議長に手紙を送った(対話をしようとした)が、政府は対話をしようとせず措置入院という形で応えたのみであった。そして彼は別の表現方法をとるに至った。

是非、植松聖容疑者ご本人にも出演していただいてオープンダイアログ的に本人に出て対話してもらいたいと思う。できたら彼の手紙の宛先であった衆議院議長、それから同様の言動があった石原慎太郎氏、安倍晋三氏、三宅洋平的なラブ&ピース系の人など多様な人とも対話をしてもらいたい。また家族の代表はいたが、知的障害の代表もいなかったのも片手落ちだ。(本当なら国会でこそ、多様な人をあつめてこういう議論をすべきだ。)

土井隆義氏という社会学者が「監視よりは関心を。異質な他者と出会ったことがないとよくわからない。関係を閉じるのではなく開いていくこと。境界のむこうにいつ自分が行くかわならないとなると常に不安。境界のない社会をつくっていかないといけない。」というまっとうな意見を述べていたのが唯一の救いであった。
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