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認知症の方の運転中止と免許の返納。

認知症の方の運転は非常に悩ましい問題です。
公共交通機関、身近な商店の衰退により悲しいことに地方では車がないと生活するのが大変になってしまっています。
運転と金銭の管理は人の力を何倍にもするものですからこれをどう手放していくかというのは認知症診療の初期の山場であると同時に、地域づくりの大きなテーマでもあります。
とある村の診療所に週1回、行っていたときも、認知症があり運転をされている方がいて、条件のいい時のみ家と畑、スーパーの間のみなどと限っている方がいました。幸いというべきか小さな事故をおこしそれを機に運転を引退してもらいました。
その時に相談したある精神科の先生はこの問題に関しては「事故をおこすまでしょうがない。(小さな事故であることを祈る)」と言っていました。
 今では75歳以上で免許更新の時に高齢者講習で長谷川式の簡易版みたいな検査と時計描画テスト、シミュレーターでの運転が義務づけられており、検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」との結果であっても、運転免許証の更新はできますが、信号無視や一時不停止などの特定の交通違反を更新の前に行っていた場合または更新後に行った場合は、警察から連絡があり、専門医の診断を受けるか主治医の診断書を提出することになります。
そして認知症であると診断された場合には、免許が取り消されます

その医師の診断書ですが認知症に関して最近の改定後はさらに厳しくなり、曖昧さをゆるさないものにかわりました。家族の申請でも免許を返納させられるようになり、様々な機会ごとに、免許返納に関してうるさく言われることがふえ最期には免許を返納せざるをえないような仕組みになっているのかなとも思います。
免許更新時に免許返上を勧告されたり、小さな事故や違反をおこすようなら、それを機に返上はやむなしと思います。

ただ、だれも本人に引導をわたすという本人に嫌われる嫌なことをしたくなく、医師に責任を押し付けているとも言えますが、免許の返納を強く拒否されるようでしたら、「運転免許センターでもう一度免許をとるのと同じ試験をうけてもらうことになるが、厳しいと思う。」とお伝えすればたいてい諦められます。

免許更新の時期には間があり、ごく初期の認知症の場合は、ケースバイケースですが慎重な人なら、「明らかに事故のリスクはあがるので、自分からは運転はいいとは言えないが・・。」と伝え、認知症治療薬を処方しつつ、あくまで自己責任ではあるが「街場には行かない、無雪期の日中で家と畑の間に限定する。同乗者がいる場合に限る。」などとしつつ、自動車運転のない生活の可能性をともに模索すると思います。

その一方で家族には認知症と診断された人が運転すると逆走したり、緊急時の判断ができずパニックになったりする危険性、6人に1人は事故を起こしているという事実を伝えます。事故を起こしても自動車保険が効かない可能性、最悪の場合は危険運転致傷害致死罪などになり家族も罪に問われる可能性などを更に厳しく伝えておき、本人が運転しなくてもすむ生活のあり方を共に模索します。

たとえば週1回買い物に連れ出すようにたのんだり、知人に遊びに出るときは乗りあわせてもらったり、予算をつくりタクシーを積極的に使うなどです。行政によっては免許返納者にはタクシー券や運賃の割引などをおこなっているところもありますね。

ずっと運転していた方がバスなどを使うのはなかなか大変です。お金はかかりますが「かかりつけのタクシー」を持つのをおすすめしています。具体的に自動車保険代、事故のリスク、タクシー代などを一緒に計算してみせるのも良いかと思います。高齢夫婦の片方が認知症の場合などにも2人で出かけたときに一方が買い物をしている間にタクシーの運転手さんが上手く対応してくれたりすることもあります。

行政や警察、タクシー会社などとも協力して上手い仕組みがつくれないものでしょうか?

以下の様なマニュアルもあります。

認知症高齢者の自動車運転を考える、家族介護者のための支援マニュアル
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プロフィール

toipsy

Author:toipsy
地域医療、リハビリ、地域ケアなどを経て、長野県の精神医療分野辺縁に生息。児童思春期青年期、発達支援中心。セルフヘルプ、ピア、地域づくりなどに興味があります。
2013年以前の記事はこちら

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