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セラピスト

ノンフィクションライター最相葉月氏の新作「セラピスト」
カウンセリングや心理療法とは何かということを描き出そうとした力作です。


セラピストセラピスト
(2014/01/31)
最相 葉月

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心理士ならだれでも知っている河合隼雄氏や精神科医ならだれでも知っている中井久夫氏がでてくる本だということで読んでみました。
お二人の紡がれた珠玉の言葉や見解、中井久夫氏の風景描画法の絵が載っていたりするのは掛け値なしにすばらしい。
日本におけるカウンセリングの歴史なども追体験できます。

とはいえ日本ではもとからカウセリングは文化として定着しておらず、セラピストとクライアントの言葉を傾聴し、箱庭や絵画をもとにイメージを共有し、じっくりと物語を紡ぐということもそれほど盛んに行われているとは思えません。
(下手したら害になるし・・。お金もかかるし・・・。)

そして今日の精神科の診療は薬物療法と簡単な生活指導が中心となり、それに多職種のチームでセルフヘルプグループやSSTなどで気付きと癒しの多い場の力を借りてスキルを身につけたり癒していくことが主流となりました。

それでも、この本を読んだあとでは、たまにはゆっくりと時間をとって箱庭や絵画なども媒介にしてクライアントと向かい合ってみたいなと思いました。

しかし、畏れ多くも中井久夫氏にセラピストとしてゆったりと絵画療法をしたりと格調高い調子でつづいていたのに、本の最後のあたりで著者本人のことに限ってはそれまで偉そうに述べていた「深いところへ降りていく」とかカウセリングとか箱庭療法とかはどうなったの?・・え〜!?っていう衝撃のオチ。

びっくりです。

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プロフィール

toipsy

Author:toipsy
地域医療、リハビリ、地域ケアなどを経て、長野県の精神医療分野辺縁に生息。児童思春期青年期、発達支援中心。セルフヘルプ、ピア、地域づくりなどに興味があります。
2013年以前の記事はこちら

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