2014
05.10

精神障害とリカバリー

Category: 未分類
 いわゆる精神病といわれるものには統合失調症と双極性障害(躁うつ病)があります。どちらも糖尿病や高血圧、HIV/AIDS、癌などと同様の慢性の疾患で、本人も周囲も病気のことをよく理解して自己対処できるようになることが必要です。また麻痺があって移動に車いすが必要な身体障害のようには、一見して見えない障害なのですが、身体障害同様に様々な生活のしづらさをかかえ理解と支援が必要になります。

 統合失調症は、幻覚や妄想、思考障害などを呈する症候群で、グルタミン酸、ドパミンなどの脳内の神経伝達物質の乱れが原因であると考えられています。主に思春期に、脆弱性(もろさ)をもった人が強いストレスにさらされて発症します。重症度はさまざまで、異常体験や幻聴や被害妄想といった症状が主の急性期と、思考障害や疲れやすさのため生活やコミュニケーションの障害が主となる慢性期で雰囲気がだいぶ違います。過度のストレスがかかると思考や行動がまとまらなくなり、抗精神病薬が状態を安定させ再発を予防するのにある程度有効であること、回復にはきめ細やかな支援や社会技能訓練(SST)などのリハビリ、家族への支援が必要となってきます。

 双極性障害(躁うつ病)は気分が高揚して何にでも感動して気分爽快で過活動、多弁多動となり、あるいは怒りっぽくなったりして止まれなくなる時期と、普通に活動できる時期、長期間の鬱々として心が動かず動けなくなる時期が波のように繰りかえされる病気です。細胞の中でエネルギーの生産などをつかさどっているミトコンドリアの機能異常が原因だろうと考えられています。気分や感情が安定しないため生活も安定しませんが、炭酸リチウムなどの気分安定薬を用い、生活リズム(特に睡眠)や刺激の量に気をつけながら生活し、気分屋的に生きることでかなり安定して過ごせるようになります。

 精神障害とは他者と上手くつながれなくなる障害であり、家族も含めて社会から孤立し、悪循環をきたし、支援を受けることそれ自体に支援が必要な状態になることがあります。このような状態に対して多職種、多職域からなるチームでアプローチします。このチームに最近は他の当事者(ピア)も、ピアカウンセリングやピアサポート、セルフヘルプグループなどで加わるようになりました。

 精神医療はリカバリー志向です。これは例え治癒が望めない病気や障害であっても病や障害に振り回されていた生活や奪われた尊厳、人生を当事者自らの手に取り戻していくことを目指すということです。リカバリーのためには『診断(診たて)』と、それぞれの当事者にあわせてカスタマイズされた自助具としての『薬』を使いこなし、本人、家族それぞれに必要な支援を受けつつ仲間を得ていく必要があります。 

 私達は当事者や家族が専門家と力をあわせて、精神障害に対する理解をひろめ、障害をもちながらも地域に居場所と出番があり当たり前の生活ができるように、元気に活動し、社会に向かっても声を上げ、全員参加型社会をめざして日々活動しています。

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