2015
04.20

どこへ向かう?介護保険

Category: 未分類
平成27年度介護報酬改訂について、4月18日、長野市で厚生官僚の迫井正深先生のレクチャーがあったので聞いてきました。以下はその感想です。
 少子高齢化がすすみ国全体の貧困化がすすむなかで、介護保険をはじめとする社会保障費の削減、総量規制の方向は仕方ないのかもしれません。軍事費の増大や企業や投資家優遇などの政策をみると本当にそうか?という問題はありますが、それはここでは述べません。
 全体は切り下げられましたが、リハビリテーションにマネジメントの考えをいれたり、看取り期の対応を充実させたり、摂食嚥下、栄養管理、口腔ケアへの取り組みなど、さまざまな加算で人を雇い手間暇をかけている頑張っている事業所が優遇されるようにメリハリをつけ、ディテールに手が入れられていました。病院からの訪問看護を評価して推進するなどのことはとても素晴らしい仕掛けであると思いました。方向性としてはバランスもとれており、とてもよい改訂だと思いました。
高齢者が安心して地域で最期まで生活できるように支えるために医療の役割は大きいです。
 しかし、今回の改訂でも介護保険制度は特に重度の要介護者では介護者がいないと成り立たない制度であるという根本的な問題点は解消されていません。
 
 住み慣れた地域での生活を支えるため大規模な施設での介護は減らす方向で、さまざまな誘導がおこなわれ、在宅シフトがおこなわれています。サービスを自由に選んで契約することができるといっても特養などにはなかなか入所できません。在宅もどきの施設が増えるだけという意見もありますが、悪徳事業者に対する対策もおこなわれているようです。しかし利益を重視する民間企業ですからいたちごっことなり、書類が増えるなどのコストがかかるばかりのような気もします。
 本人あるいは家族にお金があれば民間の有料施設に入れるという選択肢もでてくるのでしょうが、親を一人で介護しているような人が介護離職を求められ、ますます貧困になっている現実があります。
 医療においては要医療度度などというものはなく、DPCなど診療報酬での縛りは増えていますが、まだ医師の裁量で入院ということが可能な部分がまだありますので、身体的、精神的、社会的に難しい方が医療に流れてきます。そしていったん入院されると、状態が安定してもなかなか退院していただけません。
 特に家族にとっては入院している方が福祉医療制度などを使うと介護保険をフルに使って自宅で介護したり、介護施設を利用するよりも安く入院でき、手厚いケアを受けられ、楽であり、さらに民間の医療保険からの給付を得られる場合もあるため、家族が本人の年金にぶら下がって生活しているなど経済的に困窮している場合など、あの手この手で逃げまわり退院から逃げ回るケースがあります。
社会的入院は許さない診療報酬に変わりつつある現在、病院経営者からの圧力も厳しく、患者の間に挟まれる臨床医が疲弊しています。
介護費が減っても医療費がふえては意味がありません。障害者施策、医療制度、貧困対策や失業対策などの他のさまざまな社会保障制度とも整合性がとれていなければ矛盾は医療機関、その最前線の臨床医にあつまります。
上記のような現状を述べ、他の社会保障制度との役割分担についてどのような話が政府や厚生労働省内で行われているかということについて聞いてみましが、「それは・・モラルハザードで、民間の保険なども含めて、どのような仕組みがいいのか皆で考えなければいけない問題で・・・。良いソリューションがあればいいのですが・・。」と明確な回答は得られませんでした。
結局、だれが本当に困っている人かということを誰が判断するのか?という問題に帰結すると思います。現状では医師がかなりの権限をもち医療福祉資源のトリアージをおこなう社会的な役割を担わされているのですが、限界もあります。
 選挙で選ばれた基礎自治体の首長(と行政)に責任と権限(裁量)を与えて、介護保険以前の措置の時代のように、困っている人を判断して救済できるような部分を介護保険制度にもとりこめるようにすれば良いのではないかと思います。
現状では虐待でもなければ措置という扱いにはしてもらえませんが、医療に矛盾をおしつけるのではなく、行政にもう少し責任と権限をもつ部分をつくってきちんと対応すべきだと思うのですが。
そしてその行政にきちんと動いてもらうためにも、市民もどのような生き方そして死に方をしたいのか、どのような社会の形を望み、制度をつくっていくのか、そして皆から集めたお金をどう配分するのかを日頃から真剣に考え議論し自分たちの代表である政治家を選ぶ必要がありますね。
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コメント
死んじまえ
cdot 2015.05.18 20:44 | 編集
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