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当事者・家族団体など地域保健福祉でのコミュニケーション

とある教科書に書かせてもらった原稿(案)です。

DOs
  診察室から現場に出てニーズを肌で感じよう
  当事者や家族、地域の支援者から学ぼう。
  当事者・家族と協働して地域づくりにも参加しよう

1 精神科医は地域で育つ

ある地域や分野で覚悟をもって一生懸命医師を続けていると、自然と自分のテーマが定まってくるものである。もちろん自ら選んでという側面もあるが、当事者たちに選ばれてということもあるだろう。彼らのニーズに応えようと勉強したり、研究したり、共に活動したりすることで、自然と専門性が深まり、ネットワークもできてくる。当事者や地域の支援者の医師への期待は大きいものがある。まずは地域の当事者会や家族会に一参加者として足をはこんでみよう。偉ぶらなければ歓迎されるはずである。大切なのは当事者から学び、協業する姿勢であり、その謙虚さがないと医師は権力を持つだけに裸の王様になってしまうおそれがある。

2 現場でニーズを感じよう

診察室や病棟だけで患者さんと関わっていても実際の生活を想像するのは難しい。また精神障害とは支援を受けること自体に支援が必要な障害であるから、そもそもアウェイである診察室まで出て来られない患者さんも多い。フットワーク軽くできるだけ時間をつくって実際に自宅や日中活動している場、支援の現場におじゃましよう。現場に行ってはじめて分かることも多い。患者さんや家族の想像もしていなかった苦労や、強さを知ることになるだろうし、地域の中で使える資源を見つけることも出来るだろう。また回復、成長し、地域の中でどっこい生きている当事者の姿に触れると、こっちも元気になれる。地域の支援機関や、家族会、当事者会などにも積極的に顔をだし御用聞きにまわろう。問題解決に丁寧にかかわるうちにネットワークがひろがり、いろいろ頼まれたり頼んだりする関係になるだろう。

コツ
ひとりでしない、ひとりにしないこと。おっくうがらずにこまめに連絡を取ること。薬だけではなく人薬や時薬、役割を処方すること。


4 当事者の力を活用しよう

精神疾患の当事者や家族は、長い人では当事者歴ウン十年のベテランであり、その病状のために社会との間でさまざまな苦労を経験して生き延びてきたのである。その苦労に思いを馳せると、関わるのが大変な患者さんでも尊敬の念がわき襟を正さなければという気持ちになる。また障がい者は支援をうけるプロでもある。一人では生きていけないのも芸のうちというが、彼らには地域を紡ぎ、変えていく力がある。多問題で大変なケースには必然的に多くの支援者が関わることになるが、支援者間のつながりをつくり結束を固める力がある。長い経過の中で投げやりになったり、人生を諦めてしまったり、居場所を失っていったようなケースでは、他の当事者の力を借りることで勇気づけ、人生をとりもどすことができる。


3 リカバリー志向で行こう

目の前の当事者がその人なりに地域社会の中で幸せに生きていくために、よろず相談にのり、自分のすべてを総動員するというスタンスでかかわっていると、診察室だけでの関わりでは限界を感じるようになる。自助具としての処方薬をともにつくることに加えて、たとえ病気や障がいがあってもその人なりの人生をとりもどすリカバリーのプラン(設計図)をともにえがき、多職種や多職域の支援者で応援団をつくり生活全般を支援していくことが求められる。他の当事者によるピアサポートやセルフヘルプグループは大きな力になる。なければ地域の支援者や当事者に声をかけ新たに立ち上げるのもよい。コツはあくまでも裏方としてサポートに徹すること、参加者が少ない時期でも場を維持することである。また鈍くならずにめげないために医師にもピアサポートが必要である。愚痴を言い合ったり、相談できる仲間を大切にすべし。


 
Pitfall
なんでも自分でやろうとしすぎないこと。当事者の夢を奪ったり、力を削がないこと。

4 地域づくりに参加しよう

医師の役割は「臨床」、「研究」、「教育」といわれるが、これらに「弱者の権利擁護」と「地域づくり」を加えたい。医師は有限な保健医療福祉資源を守り育て、医倫理と科学的判断に基づき必要な人に配分するという重要な社会的役割を担っている。精神障害者の権利を擁護し、権利を行使することも支援しよう。当事者や家族、地域の人がゆるく集まれる場をつくり、当事者が声をあげられるイベントを開こう。行政や政治家、他の職種の支援者と協働して制度の改革にも関わろう。先進的な地域の取り組みをパクリ、地域に必要な「医、職、住、遊、友」をつくり育てよう。そうした運動や実践を続けることによって弱者をまもる地域文化が醸成されていく。そしてこのろくでもない世界がすこしずつではあるがマシなところに変わっていくことが感じられるのも楽しいことである。

Don’t 
 医師としての立場や力に無自覚であってはいけない。
 自閉的な診療で、気難しい使い勝手の悪い医師になってはいけない。

ゴーサンニの法則

私が初期研修を受けた長野県の佐久総合病院には、すべての職員が病棟業務に5、外来業務に3、地域活動に2の力を配分しなさいというゴーサンニの法則というのがあり、在宅医療や出張健診、病院祭や地域に出ての寸劇や文化活動をおこなうなど地域医療(運動)が根付いていた。また患者会や家族会との関わりも盛んであり、そこでの経験が自分の原点となっている。その後、精神科医として駆け出しの時期に、行政の建物の一角で精神障害者の居場所を運営する地域の家族会の方と知り合った。そこに出入りするなかで育てていただき、その会を母体にNPOにして生活支援、就労支援、地域づくりの拠点のコミュニティカフェをつくることにもたずさわらせてもらった。その他にも病院で毎日うまれる仕事(食器洗浄、クリーニング)を利用しての精神障害者の働く場をつくるなど、今もゴーサンニ(今は外来5、病棟3、地域2くらい?)で楽しく精神科医をやらせてもらっている。

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プロフィール

toipsy

Author:toipsy
地域医療、リハビリ、地域ケアなどを経て、長野県の精神医療分野辺縁に生息。児童思春期青年期、発達支援中心。セルフヘルプ、ピア、地域づくりなどに興味があります。
2013年以前の記事はこちら

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