2017
07.19

子育てにかかわる全ての方へ

Category: 未分類
医学書院「総合診療」誌 2017年9月号(特集◆うつより多い「不安」の診方)の「乳幼児健診で発達に問題があるかもしれないと言われて、わたしの育児のやり方が間違っているのではないか、とても心配です」の家庭医と若い母親のやり取りに対する誌上メンタリングの原稿(案)です。 オープンダイアログ、ビレッジアプローチなどの考えを入れています。
①ひとりでしない、ひとりにしない
 受ける側にも余裕が必要ですが、まず相談してくれたお母さんの訴えに真摯に耳を傾け、共感しているところから入っているのはいいですね。助けを求め相談しつつ解決していく力が、こころの健康のために一番大切なことです。この力を身につけるためには相談してよかったという体験を重ねてもらうことが大切で、相談を受けた側もまた「出来ることは助ける、出来ないことは相談する」ということが必要です。支援者の姿は親に、親の姿は子どもにも伝わります。
②ソーシャルサポートの有無と親の病的な不安にも注意
 「子育て、大丈夫かな?」と心配されても、子育てはまだまだ母親任せで、情報的、心理的、実際的なサポートの体制は地域によってまちまちです。継続的に関わり、親子へのサポートの状況を確認して手助けを増やし、余裕と安心感がもてれば不安は軽減していくはずです。それでも不安が強まるようなら病的な不安だったり、他の問題をかかえていたりすることもありますので精神科医もチームに加えてみてください。
③育てにくさに寄り添う子育て支援を
 子どもの育ちは十人十色で多様なもので、本来、多数派か少数派かの違いはあっても正常、異常の区別はありません。ただ感覚過敏などのために情報が多すぎて混乱しやすい子、行動制御に困難を抱えている子、育つペースがゆっくりの子もいます。できるだけ叱らないで、おだやかに言って聞かせる、忍耐強い子育てが大切です。周囲が通常の子育ての方法やペース、環境にこだわると、子どもは苦痛や不安をかかえ、混乱した状態のまま放置されることになります。一般の子育てでも使える構造化やペアトレの方法をアドバイスし、必要なら詳しいアセスメントや支援を得られるよう専門家の助けを求めてみてください。
④社会みんなで育てる
 社会の中で他者の助けをかりつつ生きる力をつけるのを目指すのはどの子であっても同じです。発達の特性は成人になっても残り、福祉的支援が必要になることもありますが、個性や能力として社会の中で上手く活かせることもありますし、困難さに関しても合理的配慮が得られる社会に変わってきています。目先の症状にこだわるよりも二次的な問題を予防することの方が大切です。親がその子をありのままにみて、その子なりの発達をとげられるように、いろんな力を借りながら出来ることで応援していただければと思います。
明日を今日より少しでもマシな世界に。
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