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2018
07.01

おめめどう®ハルさんの講演会

Category: 未分類
2週間前にも”ワイドビューしなの”にのった気がしますが・・。

また始発の”しなの”と名鉄を乗り継いで約3時間、名古屋の南、知多半島の東海市、太田川まで行ってきました。
ダダくんのお母さんでおめめどう®を起業したハルヤンネ(奥平綾子)さんの講演を聞きに行くためです。畑や住宅地に囲まれた太田川は駅の周囲だけ妙に未来的で遠くには日本福祉大学の校舎ビルも見えます。

日福2018


Facebookなどではやり取りがあったものの、ハルヤンネ(奥平綾子)さんとリアルでお会いするのははじめてです。
セミナーは午前2時間(幼児期〜学童期)、午後2時間(思春期とQ&A)、パワフルでテンポのよい関西弁でしゃべくりどおしでした。グッズをつくるために株式会社として起業して商売にしたら、自閉症協会や育成会などの大手の団体、学術団体からはすっかり講演などには呼んでもらえなくなったそうです。それでも、いいと思ってくれる親の会や特別支援学校などの依頼をうけて全国を飛んでまわっているそうです。

今回のセミナーを主催した東海市の発達の気になる子どもをもつ母親の為の勉強会サークル”いえいく会”
パワフルな親の会で、自主独立な感じが独立独歩のハルさんのスタンスとぴったりあっているのか、講演会は今回で4回目とのこと。今回は信州から無理をいって参加させていただきました。



おめめどうのメソッド、哲学

おめめどうのメソッドは、ハルさんの自閉症のある息子さんのダダくん(通称レイルマン)のためにABAやTEACCHなど様々な療育などをやったり様々なお師匠さんについて勉強したり、思春期にはいってしくじったりしてきた経験から紡がれました。TEACCHなどのコンセプトも見事に取り込んで昇華しています。
日本でTEACCH が今ひとつ広まらず誤解されているのは、人権や本人が選ぶというのは彼の国では当然過ぎることで翻訳すらされなかったからとうこともあるのではとのこと。起業してから独自路線で突き進み、大きな団体や学会などのと袂を分かち、試行錯誤を重ねて今の方式にたどり着いたそうで、やっとその良さが認められてきていてボトムアップでじわじわと広がってきているようです。

意思決定支援と合理的配慮ということはやっと本日の障害者支援において重要と理解されるようになってきましたが、それを自閉症でどう継続的に保証するかというところがおめめどうの真骨頂です。その方法論としても、哲学としてもある意味完成の域に達している感じもうけました。
特に「人権尊重」や「年齢相応の対応」、「選択活動」、「母子分離」については繰り返し強調し、やりやすくしないと日本人には伝わらないというとミソで、市販もしている安価なアナログツールをつかって、人や場所や活動によらずに共通した支援が自然に継続できるように工夫されています。
個人的にはASDの支援で本田先生や福岡先生、その他の方法論にかけていたピースがピタッとはまったように感じました。

以下、講演のごく一部のエッセンスをまとめてご紹介しますね。

おめめ講演

幼少期〜学童期はまあるい目で手をかけて

 幼少期は子どもと十分に付き合うと後々が楽になるといいます。これは佐々木正美先生も主張されていたことですね。ポイントは言って聞かせる子育てではなく、見せて伝える子育てです。でも大抵の人はそういう育てられ方はしてきていないからここは学ばないとわかりません。・・。そしてマイノリティの子育てになるので仲間づくりも重要です。
 視覚的、具体的、肯定的な表現で、コミュニケーションを図り、幼児期から分かる情報を少しずつため、AAC(拡大代替コミュニケーション)のコミュメモのフォーマットに情報を載せていきます。コミュニケーションは親が媒介せず直接対峙でというのは、特に思春期以降に重要になってきます(後述)。絵カードなどでのコミュニケーションができるようになったら、文字との併記、次は筆談、それを経てはじめて音声言語を中心にしたコミュニケーションへの移行を考えますが、何故か筆談を飛ばしてしまう人が多いと言っていました。
そうやってお嫁道具(スケジュールやコミュメモなど)をつくり、学校に伝えていくことができると黄金学童がまっています。

 そして特に大事なのは選択活動です。本人が選んでいる、こだわっているように見えても、まわりが選択肢を示すことなく、あなたはこれが好きだからとあてがいつづけたための同一性保持になっていることが現実には多いといいます。選択肢を示さないと、何を選んでいいのかも見えず、そもそも選んでいいということも彼らには思いもよらないことだったりするのです。とはいえ選択肢を示すと言っても嫌いなものばかりを提示したり、力関係を影響させたり誘導したりしないように注意は必要です。そうやって選択ができて初めて思考がはじまります。さらに選んだ後の後始末まで邪魔せず、葛藤を取り上げないことが大事で、そのことで身の振り方を判断できるようになります。

 また時間を読み取るのが苦手な自閉症児のために、時間の見える化をスケジュールで必ずおこないます。スケジュール、カレンダーの使用が、こころを支える基礎工事となります。ここでも脳に優しくわかりやすい巻カレンダー見通しメモなどのスケジューリングツールを挟んで徐々にやり取りにしていきます。こういった見える形でのコミュニケーションは有効なのではなく絶対に必要なものです。そしてそれを継続していくためには自作ではなく、市販のものを使うのがいいのだと強調されていました。特にこのことは後の母子分離にとっても重要になりますね。

子育てをやめる子育てをおこなう思春期以降

 それまではボトムアップだったのを、小学校高学年以上はトップダウンに切り替え、今持っている力で自助具をつかいながらQOLをあげていくという考え方にしていきます。そして、そのころから特に時間軸予算軸を意識してつくっていきます。自分で考える時間軸(スケジュール)と予算軸(お小遣い制)がないと、ご褒美もペナルティもわかりません。そして迎える13〜19のティーンの時期。思春期は二次性徴に伴い、カラダと心が変化する時期で、知能、障害の有無に限らずやってくるといいます。この時期には子育てをやめる子育てをすることが大事で、大事なのは母子分離です。自室をつくり、落ち着かないときも自分でカームダウンエリア(押し入れなど)でカームダウンできるようにしていきます。小4で風呂には一緒に入らないことからはじめ、徐々に離れ中1で別室で寝るくらいを目標にし、プライドとプライバシーを尊重し、年齢相応に扱うようにすることが必要です。パーソナルスペースを守る、ベタベタ触ってほしくなければ触らないなどのことは、してほしいようにまずはこちらがするのがポイントです。しかし母親はずっと代弁する形での子育てをしてきたので、コミュニケーション障害の自閉症の母子分離は圧倒的に難しいとのこと。お互いの脳みそが同化しやすいので、エスパーにならないように注意しましょう。何でもわかってしまいますがたとえ親子であっても違う人間ということに気づいてもらわなければなりません。特に言われてもいないのに先回りして手を出すと、それがない時に人のせいになりますので、見ざる、聞かざる、言わざるで言うてくるまで待つのが大事です。そして親が仲介せずに、コミュメモなどを使いつつ社会と直接対峙させるようにしましょう。それが社会性を育てます・・。
安定した成人期を送っている予後の良い人は、自分の裁量で自分の時間を過ごせる余暇活動、そして感謝される役割を持っているそうです・・。

これでもごくごく一部ですが、全体を通じて感じたのはなにより本人を中心とした人権をベースとした思想が根底にあるということ、そしてロジカルでプラクティカルで、いわばユマニチュードの自閉症版みたいな感じを受けました。
やっと求めていたものを見つけたという感じがします。

さらにくわしく知りたい方はおめめどうさんの冊子や、ブログ、講演。本、有料メルマガ、フェイスブックなどを参照してくださいね。

自閉症支援は医療や教育、親団体の偉い人たちが中心のトップダウンの方式ではなかなか変わりませんし、医療、教育、福祉、家族がバラバラに動いていて実際あまりうまくいっていないように思います。ハルさん的には親が学んで市販のツールを使いながら人や場所や活動が変わっても同じ支援を継続していく方法が現実的には良いのではと主張していました。
確かに、コミュメモをはじめとしたおめめどうのツールは適応はかなり広く使えますし、副作用もありません。
まず始めてみて、続けてみという形でやってみればいいし、多くのケースで実際、楽になるのを実感できるかと思います。

(COIはありません(^_^;))。

最近、おめめどうの回し者を自認する同僚と二人であちこちで紹介していますが、松本や安曇野あたりでも徐々にブレイクしはじめていると聞きました。
このままこれを文化にしていくために来年あたりにハルさんを松本〜安曇野あたりで呼べればなと思っています。
有料のほうが参加者も真剣さが違うとのことですししっかりお代を頂いて(今回は非会員は2500円でした)、せっかくなので親子あるラボを母体に教育、福祉、医療、家族をまたいでの実行委員会方式がいいなかなぁ。

今から一緒に動いてくれる人募集します〜。


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